VALUE LIFE

生命を大切にする観点から、私の記憶、体験、知識などを綴ります。

人と人⑴

人が怖いとかめんどくさいとか

つい思ってしまうところを

いまだに持っています。

 

親の言いなりに生きてきてしまった

無力感と虚しさが残った過去や

 

ものごとに対し全力を出し切ったと

言い切れない臆病な向き合い方により

わたし自身への信頼感が欠けるような

感覚と関係があります。

 

 

 

初めて多くの子どもと触れ合ったのが

6歳ごろです。

仕事で忙しい父は時間のない中でも、

家族の時間を大切にする人でしたが、

ふだんは母と弟と過ごしていました。

毎日、弟の世話で忙しい母は機嫌が悪く

たまに、近所の子と遊ぶ以外は

一人で遊ぶか弟のお姉ちゃんでいるか

どちらかでした。

 

 

保育園に入ったのは1年だけなので

そこでの経験はいくつも覚えています。

 

すでに、家の中でお姉ちゃんとして

耐えて子どもらしい可愛らしさや

素直さをなくしかけていたわたしは、

 

先生がこの年の子どもが描くには

子どもらしくないと評するような

上手な絵を描いて得意になり

保育園という新しい環境が与えてくれる

遊具や教材や作品作りの方を

一人で楽しんでいました。

 

 

子ども同士での思い出というのは

先の近所の子と互いの家を行き来して

遊んだ記憶であり、クラスにいた

暴れん坊の子くらいしか覚えていません。

 

 

ある朝

登園のために集合場所へ集まると

みんな普通の運動靴を履いていて

わたしだけ長靴を履いていました。

 

わたしは自分だけ長靴だったことに

恥ずかしいような思いになり

泣いたのを覚えています。

家はすぐ近くだったので

帰って履き替えた気がします。

 

 

子ども心にも

自分が思ったことと 

周りのみんなが思ったことが大きく

ずれているような感じになって

ひとりぼっちな気がして

嫌だったんだと思います。

 

 

その頃からすでに

コミニュケーションに

つまずいていたのですが

なにが起こっているのか

わかるわけもなく

心の中に漠然とした

不安が芽生えた時でもありました。

 

 

小学校に上がり 少しずつ

上級生に遊んでもらったり、

親戚でいとこと遊んだりして

子ども同士遊ぶ体験が増えましたが

 

楽しかったのは

どんな遊びをしたかで

 

誰と遊んでも

初めはワクワクとしているけど

自分の気持ちが一方通行で

相手の印象が少なく

自己中だったと思います。

 

 

家庭で感じる心の中の寂しさや不安は

外の世界に楽しさを見出したとしても

ガラリと変わるわけではなかったようで

補完を求める不安定な心情があったり

どう関わったらいいのかわからなかったり

していたと思います。

 

 

その後、転校することになった時

転校先の校舎が新しくできたばかりだったので

嬉しくなり、友達にその自慢をしていました。

友達と離れること、学校とお別れすることが

悲しいと思ったのは、春休み前の最後の日です。

先生がみんなの前で話した時、机に突っ伏して

泣いたのを覚えています。

 

 

でも、みんながどんな顔で見ていたか

先生はどんなふうにしてくれたか 

全く 覚えていません。

 

 

転校初日は4月で

晴れて全校生徒の前で紹介されるはずでした。

それをドキドキしながら楽しみにしていました。

 

しかし、新しい学校へ行く前に

弟におたふく風邪をもらった私は、

その機会を逸することとなり

 

他の転校生たちが学校になじみ始めた頃

母とたぶん職員室にでも寄ってから

もう通常通り始まっている学校の

生徒がざわざわしている始業前の教室へ

ひとり入っていきました。

そして「わたしの席」に座りました。

 

 

きっと転校生が来る話は、

忘れられていたのでしょう。

教室はざわめき、遠巻きに何か言ってるようで

徐々に転校生だと気づかれましたが、

まだここに居ていいのかわからない

居心地悪い感じがありました。

 

 

そこへ一人の女の子が近づいてきて

わたしの席で、持っていた

なぞなぞの本を広げて見せてくれました。

 

 

するとそこへ集まってくる子たちがいました。

わたしの周りにできた人だかりは

ぎゅうぎゅうと押しくらまんじゅうで

わたしは席に座っているのが苦しくなり

わたしの席から脱出しました。

 

席は人だかりにすっぽり隠れ

その席の住人はこうして外から眺めている

この様子がとても妙でした。

おかげでクラスに馴染むのは

あまり難しくはなかったのですが

 

出鼻を挫かれた感じと

転校生よりなぞなぞ本だったことが

少し寂しくて複雑な思いだったことは

わたしならではの人の輪からはみ出る物語の

序章だったなあと思います。

 

人とどう関わったらいいか・・・

わたしはどうしたらいいのか?

わかんないなあ、なんか嫌だなあと

困っていたけれど、それをどのように

解決していったらいいか

全くわからなかったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方通行のコミニュケーション